2018年01月15日

「甘えの構造」土居 健郎

「甘え」の構造 [増補普及版] -
「甘え」の構造 [増補普及版] -

精神科医、精神分析学者の土居健郎により1971年に出版された、代表的な日本人論の一つ。

ずいぶん昔の本ですが、面白く読みました。
日本語にはたくさんある「甘え」とそれに関連する言葉が、英語をはじめ外国語には存在しない、という論をはっています。

言語学的なところは専門外なんでは? と怪しくおもえる主張も散見されます。

しかし、欧米がキリスト教信仰の影響で、神と個人、という関係に対して、日本人は自分の属する組織の内と外で、甘えた関係を作っている、というのはわかりやすく、大変腑に落ちる話でした。

自分の属する組織、家族、とか会社とかの内輪の理論を優先させてしまう傾向は今の日本でもあると思います。

自分自身の中にある正義感とか、社会の一員としての責任、というのを考えれば会社を告発しなければいけないような状況でも、人は「会社のために」不正を働いたりします。

欧米的「個人」と「公」というものがない、というのは私も常日頃気になっていたところではあります。

会社を家族のように見なす、というのはとても悪いことではないか、と個人的に考えており、その考えを進めるうえでの一つの補強するべき話にみえました。

ただ組織の中、「うちわ」の中にいれば快適なわけですよね。そしてこの本でも指摘しているように、人は誰も一人では生きられず、何らかの組織に所属している必要があり、その組織のメンバーである、という認識が安心感につながるわけで、心の安定には大切な要素なんでしょう。

皇室、国家、というのが心の支えになったことの危うさを指摘しているのはさすが戦中派というところでしょうか。リアリティがあります。

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2018年01月09日

「シン・ゴジラ」監督: 庵野 秀明、 樋口真嗣

シン・ゴジラ -
シン・ゴジラ -
地上波放送を見逃して悔しかったのでレンタルビデオ店でブルーレイを借りました。

息をつかせぬ展開
リアルな霞が関の会議、指揮命令系とのリアルさ
(用意されてるノートパソコンがアダプタ、マウス乗せられて、ログインIDの紙を天板に張り付けてあるの最高! しかもメーカーは富士通。現実そんなもんですよ。)
自衛隊の装備、セリフ、部隊編成等細部までのリアルさ
惜しげもなく最先端の武器の投入、戦車とかも超信地回転してるし。
東京、神奈川の地名、ロケのリアルさ、電車もリアル

と、とっても素晴らしい映画でした。

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2017年12月22日

「失敗の本質―日本軍の組織論的研究」戸部良一/寺本義也/鎌田伸一/杉之尾孝生/村井友秀/野中郁次郎 著

1984年に出版されて現在まで読み続けられているベストセラーです。

第二次世界大戦での日本軍の敗北を6つの会戦別にケーススタディしています。戦史を全く知らない人でも概略がつかめるように地図があってざっくり全体像の説明もあるので助かります。

軍事的な見地での分析ではなくて、組織論としての日本軍、という分析です。
アメリカ軍が、組織的学習を続け、現場の戦術もちょっとずつ改善を続けていたのに対し、日本のほうは日露戦争のときの勝利の仕方を妄信して、直近の敗北から学ぼうとしない、という組織的学習能力のなさ、が痛烈に批判されていました。

信賞必罰の人事ができてない(人情、が重視されてる)とか。現場が頑張って上のほうが無能とか、もう読んでて胸が痛くて痛くてたまりませんでした。

システム開発は、有象無象の人を集めて組織をつくって人海戦術やります。でかいプロジェクトでは。上層部の無能さ加減が、本の中にリアルに再現されているんですが・・・! 平成になっても事態が改善していないんですが・・・!

社会的学習能力がないってことでしょうか。
つらい。

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2017年11月27日

「1984」ジョージ・オーウェル

先に村上春樹の「1Q84」は読んでいたのですが。あちらのほうがずっと希望に満ちていますね。つらい。

冷戦真っ只中に書かれた、共産主義ユートピアってこんなディストピアだろって本です。

元左翼活動家だけあって、共産主義政府のやりそうなことがもうリアリティもって書かれています。昔昔の本なのに、まさしくいま現在の中国や北朝鮮だってりしてつらいなあ。賢い人は未来が良く見えるんだなあ、としみじみ思いました。IT技術の進展にともない、この小説に記載されているような監視社会が完成しつつあります。中国はもうディストピア突入中です。

リベラル思想を隠し持った主人公が、共産主義政府に徹底的に叩きのめされる本でした。できる限り悲観的に世の中をみているのに、どうしても希望を捨てきれない人間の性に、悲しみを感じるのでした。パンドラの箱に残ったのは、蓋があいた瞬間に飛び出すことができなかった臆病な希望だけ。

Big brother is watching you!


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2017年09月28日

「コーラスライン」監督:リチャード・アッテンボロー(1985年)

ブロードウェイのダンサーたちを主役にした群像劇のミュージカルです。オーディションに集まる沢山のダンサーの卵たち。集団で踊り、ばっさばっさと振り落とされていくのが圧巻です。必死になって職を得ようとしますが、それで得られる職は、役名もない後ろで歌って踊るコーラス。

歌って踊る、というのは物心もつかない小さな子供でもやります。人の本能に組み込まれた楽しみなのかもしれません。その本能的な楽しみを職業にしよう、というのは厳しいです。音楽、美術、ダンス、人の楽しみ、憧れとなる職業には多くの人が集まり、そしてそれで食っていくのは大変厳しい道なのは古今東西変わりなく。

名もないダンサーたちの半生を語らせると、きらびやかなショーの後ろにある現実の人生がつらくしんどく、だからこそ、キラキラしたショーが必要なのかもしれません。途中でDVDを止めようという気も起らず、あっという間に観終わりました。

主題歌は誰もが一度聞いたことがあるかと。ビールのCMで使ってた曲ですね。

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ラベル:ミュージカル
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