2017年02月28日

「パーフェクト・リタイヤ」藤堂志津子



中年女性を主人公にした短編集。熱量の低い、ある種の諦観をもって人生を送っている女性たち。

自分の年に近い小説のほうが心情が理解できる、というのはあるようです。でも、ずいぶん諦めが入っています。もっと激しく、人生を楽しむ人を主役にしてもよさそうだけど、夢がない分、疲れた毎日を送る自分にはハードルが低くてちょうどよかったかもしれません。

本のタイトルとなっている「パーフェクト・リタイヤ」の主人公のような女性は元本割れのリスクがある株式投資はできないと思うのですが、素人が一攫千金、となるとやはり株なのでしょうか。まあFXでないだけましでしょうか。

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ラベル:リタイア
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仕事は苦行でなければいけないのでしょうか

pose_zasetsu.png明らかに無理があるスケジュール、スケジュール内に入りきらないタスク、足りない人員、それを目の前にミーティングをしました。

この期限はそもそも無理なのではないか? という私の言葉に、延ばすなんて無理だよ、やらなきゃいけないんだよ、とキツく拒絶するベテランさん。しかし、それは上司にまだ相談していない状態です。

上司に無理です! と訴えるまえに、与えられた仕事は何が何でもこなさなければいけないんだ、と自分たちを戒める、自分たちに厳しい人が多いのです。ストイック。

日本人的な気質、というのでしょうか。苦しく、厳しい条件を乗り越えることが、自分の成長に大切なんだ、それこそ仕事なんだ、という意識。まずNOと断る、ということを知らない。

余裕のない仕事、というのは実は品質が落ちます。また、周りが見えなくなり、戦略的に先手を打つ、ということが考えられなくなります。戦略を考える人は常にあらゆる可能性を考えながら手を打たなければいけないのに、余裕がなければ目の前の問題しか考えられません。

高い目標を掲げると結局は余裕をなくし戦略で負けるのです。現場の頑張りだけを美化してもしょうがないのですがね・・・。上司の出す条件を絶対とする、上司の考えを確認せず勝手に忖度する、過度な自主規制、先回りした心遣い、それはいいことなのでしょうか。

まず、主張する、意見を言う、それが大切なはず。むろん、意見を言われた途端に切れて怒鳴り散らすような上司がいることも知っていますが、そんな組織は先がありません。一人の独立した人間として、誰に対しても対等に真摯に話をする、ということがなぜできないのか。人間として、組織としての成熟度が、欧米の社会、会社と日本の差なのかもしれません。

企業向けソフトウェア開発分野では、日本は欧米に周回遅れ、どころか2周遅れぐらいの状態になっています。

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2017年02月27日

「時をかける少女」筒井康隆



あまりにも有名なタイトルだけは知っているけど、小説も映画もアニメも未見でした。歌はサビしかわかりません。 図書館の棚で見かけたから手にとってみました。

さくっと読める中編です。これをどうやって映画に引き延ばしたのかちょっと不思議になりました。とっても舞台も設定も昭和なのですが、展開が早いし、引き込まれて読みました。内容も良い小説だったのですが、やはり一番良いのはタイトルでしょう。もうタイトルの勝利です。

他小品2編はそれほどひねりがあるわけではありませんが、面白く読めました。古典的な作品は時代を超えていいものですね。そのうち映画とアニメも観てみようと思いました。

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林家 木久扇さんの落語

rakugoka_oldman.pngNHKの「日本の話芸」という番組を観ています。色んな落語家や、講談師が番組の時間に合わせて30分の尺で話をします。落語なんて短いのもありますから、演目によっては、本題に入る前の枕の時間を頑張って頑張って伸ばして、ようやく30分。なかなか苦しい。

落語家というよりタレントじゃないの?という人が案外上手かったり、有名なはずだけど微妙だなという人がいたり、結構、出来はばらつきのある番組です。

で、だいぶ前に林家木久扇さんの回がありました。この番組、オープニングの背景の絵が木久扇さん作なんですね。なんで笑点にでてるおじいちゃんが絵を描いてるの?? と不思議だったのですが、ご本人が枕の話で

自分は東京は日本橋の出身、東京の空襲で焼け出されて青森に疎開、青森でも空襲に合って東京戻って、漫画家のアシスタントして食ってた。絵をかくとき声色使って話しながら書いてたら漫画家に落語家を紹介されて落語家に弟子入りした、

と説明で、ああ、それで絵が上手いのか、と納得しました。しかし、小学生のときに空襲って。何歳ですか、生涯現役、すごいなあと感心していたら

師匠の教えに、芸人はいつでもニコーって笑ってないとだめなんだよ、と。

ああ、笑点のときの木久扇さんのいい笑顔はそういうことか、と得心しました。本当に嫌味のないいい笑顔ですよね。

本題に入った後の落語は噛みまくりでしたが、木久扇さんのお人柄に触れるいい番組でした。

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2017年02月26日

「ホビット ゆきてかえりし物語 第四版」J.R.R.トールキン 山本史郎訳

ホビット―ゆきてかえりし物語

映画を見る前に原作を読むことにしました。「指輪物語」も原作を読んでから、映画を見ました。原作のイメージを大切にした素晴らしい映像化でこれほど映像化に成功した作品があるだろうか、と感嘆したものです。「指輪物語」は先に原作を読んでいて幸運でした。 

「ナルニア物語」も1だけ映画を見たのですが、良い映像化でした。世界3大ファンタジーと並び称されるのに「ゲド戦記」だけがあまりに不遇で涙が出そうです。 

さて本題にもどります。

「指輪物語」が大層読みづらい翻訳だったので、ある程度覚悟をしていたのですが、とても読みやすい素晴らしい翻訳でした。もちろん物語の面白さそのものが、翻訳で損なわれるわけではありません。しかし、とっつきやすさ、読みやすさは大きく変わります。 

文庫で上下巻でしたが、次から次に危機一髪の手に汗握るエピソードで、あっという間に読み終わりました。英雄ではない一見平凡な小さな中年ホビットの知恵と勇気の物語です。魔法使いや英雄や、金や権力に汚い登場人物がリアリティを与えてくれます。ファンタジーで大切なのは、空想にいかにリアリティを与えるかだと思います。  

作者のトールキンは第一次世界大戦に従軍していたということで、空腹、悪天候にさいなまされ、心が弱り、仲間と険悪になるつらい旅の光景は非常にリアルです。また、美味しそうな食事の描写はたまりません。イギリス料理が最悪に近いことを体験した私でさえ、一緒に食べたいと思ってしまいました。アングロ=サクソンの味覚を信用してはいけません。 

ゲームの世界をのぞけば日本人にはあまりなじみのない、エルフ、ゴブリン、ドワーフ、トロル、金銀財宝を蒐集するドラゴンといったおとぎ話の種族がほぼ説明なしにぞろぞろ登場するので、ある程度、ゲームか映画かの映像の知識があったほうがわかりやすい気がします。 

トールキンによるイメージ画が上下巻それぞれ何枚もついているのですが、玄人裸足の腕前です。大体トールキンは、オクスフォードの言語学の教授です。作家、画家、言語学の教授と二足、三足のわらじを履きこなす多才さには感服するよりありません。 

上下巻それぞれに分厚い注釈に丁寧な解説がついており、古典のテキストを読むような塩梅です。本文の注釈が長いですが、翻訳についての解説もありました。 

今回は主人公ビルボ・バギンズのあだ名が「押入」になっています。なぜそうしたか、の説明がありました。セリフや、地の文に「押入」と入っても違和感がなくいい訳でした。 

「指輪物語」で一番気になったのは、英雄であるアラゴルンの二つ名が「馳夫」であることです。異様な違和感を覚えました。「ストライダー」というのも聞きましたが、日本人には意味がわからずそれもどうかと思いました。 

この翻訳者による「指輪物語」の出版も試みられたけれど大人の事情で断念されたそうです。大変残念です。山本氏に訳しなおしてもらったほうがいいと思います。 

他にも興味深い話が載っています。創作された言葉をどう発音するかは難しい問題のようで、トールキンの音読テープが残っており「ゴラム」はその音読から採用されたなど、丁寧な注釈がついていました。トールキンが「鏡の国アリス」のルイス・キャロルと大学の同僚だというのは面白いトリビアでした。 

原作を堪能したので、満を持して映画鑑賞に臨みたいと思います。

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